ラグビーワールドカップ、日本代表の健闘から生んだ感動要因について考察する二回目最終です。
②共感して共有
日本代表のスローガン「one teamを象徴する歌」をとの要請にジョン・デンバーのカントリー・ロードの替え歌を作ったのが山本幸輝選手。
この山本選手は大会直前のメンバー登録から外れていたため、日本代表は作者不在の中ワールドカップ本番までこの歌で一つになる雰囲気を作り上げていました。
代表を落選した10人の頑張りがあったからこその「今の日本代表」という思いが共有されてより一体感を生んでいました。
試合に出ていない選手への思いは山本選手だけではありません。ウォーターボーイや練習のサポートをしていた徳永祥尭選手です。
東芝ブレイブルーパス所属のトップリーグ選手だからこそ、コーチや監督の指示意図をくみ取って試合中の短い時間で選手達に伝える事が出来たのです。
試合中のベストプレーは念入りな下調べや準備があってこそ。この見えない尽力への感謝が試合翌日の会見で中村亮土選手がベストプレーとして徳永選手を挙げた事に表れています。
また、予選プール最終戦のスコットランド戦後の会見で、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチやリーチ主将が台風の被災者のために自分たちがどうすべきかを考えた主旨の発言をしていました。
スローガンとしたone teamは出場選手のみならず落選した10人、サポートスタッフ、そして台風19号で被災した方々も含んでいました。
苦しい立場にある人の思いもくみ取り、チーム全体で共有して予選プール最後のスコットランド戦にのぞんだラグビー日本代表。
決勝トーナメントの南アフリカ戦が終わった二日後の朝まで「感動」「余韻」「寂しさ」とテレビやラジオ・SNSで伝えられているのは、アイルランド・スコットランドといった強豪国を倒してのベスト8という結果は勿論の事、こういった様々な人々の思いを受取り代表チーム内で共有して体現してきたからこそ、です。
ここまでの広い思いを体現しようとしていた代表チーム。その志を素にしたからこそ苦しい練習や逃げ出したくなるようなプレッシャーに耐え、「チームに貢献出来る誇り」が自己犠牲の美しさと合わさって感動を生んでいます。
日常我々が生きていると、ここまで思いを体現したくなるような組織や集団というのはなかなか無いかもしれません。
しかし、仕事として関わる組織内の一員やエンドユーザ・家族等ポイントを絞れば「この人のために」という思いがあるはずです。
今回のラグビー日本代表にその体現の方法をみる事が出来ました。
思いを体現する事で、必要とされ自分の身体を使って居場所を作る。これが人間が活動をする根源ではないでしょうか。
今回のラグビーワールドカップ、日本代表への感動・賞賛の声はその事を教えてくれた謝意を表しています。
便利さの中にあって、少し忘れかけているものを思い起こしてくれたようにも感じるラグビー日本代表…「共感したものを共有して体現する」事は組織の一員として貢献する際に大事なものです。
一時の感動物語に終わらせず是非日常生活に活かして習慣化していきましょう。
まずは身近で当たり前に感じている家庭・家族への「いつも有難うね」といった謝意表明から如何でしょうか?(^^)
「珍しいね」なんてツッコまれても「いや~、なんか今回のラグビーで感動しちゃってさ」なんて言い訳もちゃんと用意されてますから(^^)
共感して共有:ラグビー日本代表に感動②
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